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教育カリキュラム
1年生から履修できる「社会学概論」では、現代社会を分析するための基本的な整理の図式と方法を解説する。「社会学史」では社会学の歴史をたどるだけでなく、現代的視点から再構成する。2年生からは以下の専門科目も履修できる。「社会学特殊講義」「社会行動論」「社会理論」では、具体的な対象領域ごとに、あるいは諸領域にわたる理論的視角から、深く研究成果と課題を紹介する。「社会調査法」では、質問紙調査などデータの集め方の技法を、「社会統計学」では、調査データを統計的に分析する方法を学ぶ。 |
「社会調査実習」は、理論をどのように実証するか、その逆にデータから理論をどのように作り上げればよいかを考えるための、重要な科目である。この科目は3年生の必修科目で、1年がかりで共同で作業を進めていく。前期は調査のテーマを決め、テーマに関する先行研究を検討し、仮説や具体的な調査項目を組立てていく。質問紙調査の場合にはコンピューターによるデータ分析の実習も行なう。後期には2年生も参加して調査を行なう。金沢市内や近郊で市民や施設を何度も訪問して調査する年もあれば、能登半島に数日泊り込みで調査を行なう年もある。得られたデータをもとに、調査前に考えた仮説が成立しているか検証し、調査報告書を作成する。その成果は、『いまどきの若者:石川県の青年意識調査』『高齢者福祉の施設と組織間関係:金沢・松任調査』などとして第24号まで刊行されている。
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2年生からはゼミナール「社会学演習」に参加できる。そこでは、英語・ドイツ語・フランス語など海外の文献をテキストとして、学生がレポーターとして解説し、全員で批判的にディスカッションを行なう。重要な著作の1冊に取り組むこともあれば、最近の学術雑誌論文からテーマに合せて選んだものを取り上げることもある。
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各自が自分の問題関心に沿ってテーマを設定し、これまでの学習成果を総合して従来の研究を一歩踏み越えた成果を追究する。指導教員を一応決めるが、実際には教員全員が共同で指導する方針をとり、指導教員以外の教員にも積極的にアドバイスを受けるよう指導している。4年生全員と全教官で年に3,4回卒論研究会を開くほか、個人指導と指導教員グループごとの研究会を行なっている。
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